研磨剤は本当に全部危険?ホワイトニング歯磨き粉の選び方と使い方

ホワイトニングの基礎知識

歯磨き粉の研磨剤について、様々な情報がインターネット上に出回っています。特に、「歯を白くする」効果をねらうホワイトニング歯磨き粉は、研磨剤の含有量が通常のものより多い傾向にあります。

研磨剤についての正しい知識なしに購入し間違った方法で使い続けると、大切な歯を傷つけてしまうことにもなりかねません。

今回は、多くの情報の中で信頼性の高い研磨剤に関する知識をあつめ、ホワイトニング歯磨き粉の正しい選び方と使い方を解説していきます。

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研磨剤の前提知識

賛否両論がある研磨剤

「研磨剤なし」と歯磨き粉に記載されていたら、あなたはどのようなイメージを持ちますか?

インターネット上でも、研磨成分とされる成分が入っている歯磨き粉を全て危険だと言っている人もいれば、使用しても問題ないと言っている人もいます。研磨剤についての情報があふれすぎて一体何が本当なのか、本当にほしい情報にたどり着かずに困ってしまうことも多いのが現状だと思います。

ホワイトニング歯磨き粉と研磨剤

研磨成分は、歯を白くする目的の、いわゆる「ホワイトニング歯磨き粉」にほとんどと言っていいほど含まれています。

この正しい知識なしで、歯を痛めないホワイトニング歯磨き粉を正しく選ぶことはできないため、研磨剤とホワイトニング歯磨き粉は切ってもきれない関係です。

正しくホワイトニング歯磨き粉を扱えるようになるために、研磨剤とは一体なんなのか、そしてその使い方を正しく理解することが重要なポイントとなります。

研磨剤とは?

まずはじめに、そもそも研磨剤とは何なのかからみていきましょう。

研磨剤は歯磨き粉の基本成分

歯磨き粉は、ペースト・ジェル・液体などの種類がある歯磨き剤のうちペースト状のもののこと意味します。

歯磨き剤を使う意味は、名前の通り歯を磨くこと。でも、磨くのは歯ブラシだけでもできますよね。

なぜ歯磨き剤を使用するかというと、より汚れを取り除く力を高めるためです。汚れを取り除く効果を高めなければ歯磨き剤として意味がないため、研磨成分は多くの歯磨き粉に含まれているものなのです。

歯磨き剤の定義は、歯磨き剤は、歯ブラシと併用して歯口清掃の効果を高め、歯科疾患予防・抑制、口臭除去などを目的とします。
歯磨き剤の主な成分は、研磨剤、湿潤剤、発泡剤、粘結剤、香味剤および薬効成分等です。研磨剤としては、歯牙の表面を傷つけることなく、歯面の付着物を除去する必要があります。
[出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構]

研磨剤の有無の判断基準

研磨剤が含まれているかどうかは、歯磨き粉の成分一覧において「清掃剤の欄に研磨成分が表記されているかどうか」を判断基準としましょう。

現在販売されている歯磨き粉で成分一覧に「研磨剤」と表記しているものはほぼなく、「清掃剤」という配合目的名が使用されています。

今のようにペーストタイプの歯磨き剤がまだ一般的でなかった時代、粒の粗い粉の研磨剤を歯ブラシにつけてブラッシングしていました。そのときの粉の研磨剤というイメージが残り、研磨剤という名前が今でも一般に浸透しています。

現在は粉末タイプの歯磨き粉もほぼなくなり、研磨成分も昔よりも粒の大きさが格段に小さなものが使われるようになりました。そのため、「研磨」というイメージは粗い粒で歯を削るイメージが強すぎて適さないため、「清掃剤」と呼ばれるようになりました。

研磨成分の一覧表

では、清掃剤の欄に記載される研磨成分にはどのような名前があるのでしょうか。

実際に歯磨き粉に表記されている成分名は、以下のようなものがあります。(成分名や表記方法は薬事法で何通りか許可されており、歯磨き剤やメーカーによっても異なります。)

含水ケイ酸
無水ケイ酸
無水ケイ酸A
シリカ
酸化チタン(Ti)
重質炭酸カルシウム(Ca)
炭酸カルシウム(Ca)
ヒドロキシアパタイト
ハイドロキシアパタイト
ピロリン酸カルシウム(Ca)
ピロリン酸2カルシウム(Ca)
リン酸水素カルシウム(Ca)
リン酸2カルシウム(Ca)

参考:研磨成分の原料
リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、シリカ、研磨性沈降シリカ、研磨性ゲルシリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、ゼオライト、酸化チタン、ケイ酸ジルコニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、合成樹脂等

これらの名前が「清掃剤」の欄に含まれていたら、研磨剤が含まれている歯磨き粉と認識しましょう。

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研磨剤はどのくらい含まれる?

研磨成分の含有量

では、研磨剤入りの歯磨き粉の研磨成分はどの位の量が含まれているのでしょうか。

私たちが一般的に呼ぶ歯磨き粉、つまりペーストタイプの歯磨き剤に含まれる研磨剤(清掃剤)の量は、全体の10~60%が基準です。

歯磨き剤(ペーストタイプ)に含まれる研磨剤とその他の基本成分の含有量の目安は下記の通りです。

配合目的 ペースト
清掃剤 10~60%
湿潤剤 10~70%
発泡剤 0.5~2%
粘結剤 0.5~2%
香味剤 0.1~1.5%
保存料 ~1%

[参考:JDMA 日本歯磨工業会]

上記はあくまで目安のため、必ずしも全ての歯磨き剤に当てはまるわけではありません。

研磨剤なしの歯磨き粉の定義は?

研磨剤なしの2通りの考え方

研磨成分の有無の判断基準は、歯磨き粉の成分一覧において「清掃剤の欄に研磨成分が表記されている」ことであると書きましたが、研磨剤無しの歯磨き粉の定義は

  1. 研磨成分を清掃剤として表記されていない
  2. 研磨成分が全く含まれない

2通りの考え方があります

「でも、この2つって同じことなんじゃないの・・?」

と疑問に思うかと思いますが、同じことを言っているようで実は違います。

研磨剤なしと評判の歯磨き粉の成分欄を見てみると、「清掃剤」とはされていないものの、「粘結剤」「基材」「薬用成分」などの欄に上記の研磨成分が含まれている場合があります。これは①には当てはまりますが、よく考えれば②の「研磨成分が含まれない」というわけではないですよね。

この場合は、本当に研磨剤なし言ってもいいのでしょうか・・・?

実は、答えは「どちらでも良い」なんです。

この紛らわしさが理由で、ネット上や口コミで「なしとか言ってるけど成分みると研磨剤入ってるじゃん!どういうこと!?」という論争が巻き起こってしまうようです。

販売社からの回答

研磨剤なしの定義に関してGSK社に問い合わせたところ、下記のような回答が返ってきました。

<質問>

  • 他の歯磨き粉で研磨成分としても使用されているものが「清掃剤」以外の配合目的として記載されている場合、その歯磨き粉が研磨剤入りとは言わないのでしょうか?

<GSK社の回答>

  • 「清掃剤」以外にたとえ研磨成分が配合されていても、その量はごく微量であり、会社としては歯を削る研磨力はないと判断し「研磨剤なし」と明記している
  • 上記の認識で厚労省にも医薬部外品として許可をとっている

たしかに、上記の「基本成分の含有量の目安」を見ても、清掃剤が10~60%が基準なのに対して、粘結剤でいえば0.5%~2%と、圧倒的に低い数値なのでこの回答も納得できますね。

これらを総合的に判断すると、清掃剤の欄に研磨成分が書いていなければ、研磨力はないもしくは低いと認識して良いでしょう。

本当に研磨剤はない方がいい?

では、研磨剤は本当にない方が歯のために良いのでしょうか。

歯のためには研磨剤無しが◎

歯磨き粉に研磨剤が含まれていても、理論上50年使用し続けても歯が欠けてしまうような危険性はありません。ただし、研磨剤入りの歯磨き粉の使用によって歯のエナメル質や象牙質が傷つく原因になることが多くの実験によってわかっており、論文や文献にも発表されています。

そのため、歯科医師の間でも歯のために研磨剤入りの市販歯磨き粉を使用しない方が良いというのは共通認識です。

エナメル質を傷つけるだけでなく、歯周病を悪化させる原因となります。また、過度な摩擦や力によって歯茎をいため、そこから歯周病や知覚過敏担ってしまうリスクを高めます。

歯を白くしたいなら多少は必要

しかし、歯の為によくないとはいえ、研磨剤が着色汚れを落とすのに非常に有効であることも事実です。

研磨剤の一切含まれないものを使用すると、歯はどんどん黄ばんでいってしまいます。歯を白くするために研磨剤が有効であるという論文も発表されています。

しかし、研磨力が高すぎたり、研磨剤の量が多すぎる歯磨き粉で毎日磨くなどの使い方を間違えると、歯を削ってそこから着色汚れがつきやすくなり悪循環に陥ります

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研磨剤入り歯磨き粉との付き合い方と注意点

歯を白くする「ホワイトニング効果」を目指すのであれば、ホワイトニング歯磨き粉は研磨剤の含有量が通常のものより多い傾向にあるため、研磨剤とうまく付き合っていく必要があります。

使わないことが一番なのですが、緊急でこびりついたヤニや着色汚れには使った方がいい場合もあります。その場合は以下の点に注意し、研磨剤の効果をうまく利用しつつ安全に白い歯をキープしてください。

粒の大きさと硬さに注意する

歯の硬さよりも柔らかい(モール硬度3以下)もので、歯面や歯肉を傷つけない粒子の大きさ(20μm以下)のものを選ぶようにしましょう。

とはいえそんなことは簡単にはわかりませんし、メーカーもそんなことはほとんど公にしていません。

しかし、いくつか公表されているもののなかで、アパガードなどの薬用ハイドロキシアパタイトは平均で5μmという極小粒で最も安全性が高いといえます。

毎回使用しない

毎食後三食を研磨剤たっぷりの歯磨き粉で磨くのではなく、週に1~2回程度の使用にします。

それ以外は、研磨剤フリーの歯磨き粉やで洗浄成分がたっぷり入ったジェルなどを使用し、汚れの除去とコーティング効果をかけあわせるのがポイントです。

歯科医院専売品のものを選ぶ

市販のドラッグストアでは販売されていない、歯科医院でしか買えない歯磨き粉があります。

これらは市販のドラッグストアで購入するものよりも研磨性が低いものがほとんどです。

何を選んで良いかわからなくなったら、歯科医院専売品のものを選ぶと間違いないでしょう。

値段が高いものを選ぶ

これは賛否両論あるかもしれませんが、値段が高いものほど安全と言えるでしょう。

研磨成分を極小粒にしたり、エナメル質を削らないような成分を配合するにはそれなりの開発コストがかかります。その上で開発され、その成分が多く含まれていれば当然値段も高くなります。

必ずしも高いもの=安全ではありませんが、「安全なもの=高い」の方程式は成り立つため、安いものの方が危険度が高くなるといえます。

白い歯をキープ!ホワイトニング歯磨き粉の上手な使い方

超極小【薬用ハイドロキシアパタイト】入りのものを選ぶ

薬用ハイドロキシアパタイト入りの歯磨き粉は、白い歯のためにいいことづくしです。

歯を傷つけないサイズのナノレベルの超極小粒のものを使用すれば、汚れを削り落とすのではなく吸着して落とす効果がありあります。

適度に着色汚れを除去する手助けをしてくれるのに加え、歯や骨の成分に似ているアパタイトが歯の欠損部分を補強するという効果も発揮してくれます。

ホワイトニング歯磨き粉は、薬用ハイドロキシアパタイトが含まれる歯磨き粉を使用することがもっとも安全に歯を白くすることができると結論付けられます。

極小粒の薬用ハイドロキシアパタイトは、オーラパールアパガードなどの歯磨き粉に入っています。これらの歯磨き粉を普段使いとすることが、白い歯のためにいいことづくめと言えるでしょう。

ホワイトニングジェルを併用する

歯を削って白くして、さらに着色しやすくなってしまう・・・そんな悪循環を断ち切るには汚れをつきにくくするという作業が重要になります。

そこで役立つのがホワイトニングジェルです。

ジェルは歯磨き粉よりもポリリン酸などの洗浄成分とコーティング成分が多く含まれています。

歯を削らなくとも、高い有効成分の含有量で同等のクリーニング効果が期待できるだけでなく、歯磨き粉よりも有効成分が口のなかに残りやすいため「コーティング効果」も期待できます

着色しやすくなって、また削って・・・の悪循環を断ち切ってくれるアイテムとしてうまく活用しましょう。

▶︎参考:おすすめホワイトニングジェル

定期的に歯医者でクリーニングを行う

研磨性の弱い歯磨き粉で対応できなかった分の研磨は、プロに行ってもらうのがもっとも安全でオススメの方法です。

歯医者さんでは歯ブラシではなく専用の先端がスポンジ面のような特殊な器具で研磨剤をつけてクリーニングを行ってくれます。プロにしっかりケアしてもらえれば、間違ったブラッシングで歯や歯茎を傷つける心配もなく、専用の器具で歯石もしっかり除去してくれます。

保険適応内でもクリーニングができますので、自宅ケア(ホワイトニング歯磨き粉&ジェル)+歯医者さんでのクリーニングは自分でできるホワイトニングの最強の組み合わせと言えるでしょう。

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まとめ

研磨剤は基本的にほとんど全ての歯磨き剤に使用されています。研磨剤は歯を削る危険性が高い反面・着色汚れを落とす効果には優れた成分です。

歯にやさしい低研磨のもの・粒子の細かいもの・使用頻度などに注意し、歯磨き粉以外のアイテムとも上手にかけあわせて白い歯を目指していきましょう。

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