男女ともに人気も知名度も上がり続けている、歯を白くするホワイトニング。
ホワイトニングは、清潔感をアップしたい・笑顔に自信を持ちたいなど、様々な希望を叶えてくれます。
ただし、強力な薬剤を使用するため、どんな人でもできるというものではありません。ここでは、歯医者さんで行うホワイトニングができる人の条件、ホワイトニングできない歯などを解説していきます。自分はホワイトニングが可能なのかどうか、判断材料にしてください。
そもそもホワイトニングができない人はどんな人?

以下の要件に当てはまる方はホワイトニングができない、もしくは医師とよく相談が必要です。
- 妊娠中や授乳中の方
- 小児や若年者の方
- 重度の知覚過敏の方
- 無カタラーゼ症の方
- 光線(紫外線)過敏症の方
妊娠中や授乳中の方
ホワイトニングそのものが妊娠期や授乳期の母体に悪影響を及ぼす、という報告はありませんが、刺激や余計な薬剤の摂取をなるべく避けたほうが良い時期ですので、ホワイトニングも避けるべきとされています。妊娠期・授乳期を避けてホワイトニングを行ってください。
小児や若年者
永久歯が安定して生え揃い、歯肉の状態が安定した状態からホワイトニングが行えます。ホワイトニングをする時期としては、一般的には大人の歯が成熟した18歳以上・または成人以上としている歯科医院が多いようです。
高齢者に対しては年齢制限はありません。
重度の知覚過敏の方
重度の知覚過敏症状の方は原則としてホワイトニングは避けるべきです。ただ、知覚過敏の原因が一部の欠損や歯肉が下がって起こっているものに関しては、該当箇所をレジンなど被せ物で修復してホワイトニングが可能です。
知覚過敏の原因んが明確でない場合は、歯医者さんに相談してみましょう。
無カタラーゼ症の方
無カタラーゼ症と診断された方は、オフィス・ホームにかかわらず絶対にホワイトニングは行ってはいけません。過酸化水素が分解できないため、有害物質として体内に残ってしまい、進行性口腔壊死などの危険な症状を招く恐れがあります。
光線(紫外線)過敏症の方
光線過敏症の方は、光をあてるホワイトニング(オフィスホワイトニング)を行う場合は注意が必要です。光過敏の既往症がある方を含め、必ず医師に確認をとりましょう。光をあてないホワイトニング(ホームホワイトニング)なら可能です。
これらのほかにも、呼吸器系の持病がある場合や、アレルギー体質などで使用する薬剤や機器に過敏症状がある場合もホワイトニングが受けれらない場合があります。上記にあてはまらないので関係がないと自己判断はせず、必ず既往症・アレルギー・持病・服用薬などはカウンセリグの際にお医者さんへ報告・相談をしましょう。
ホワイトニングができない歯とは?

上記のような「ホワイトニングができない人」に当てはまらないのですべての歯に対してホワイトニングができるのかというと、そうではありません。条件によっては「ホワイトニングできない歯」もあるのです。
ホワイトイニングができない歯は以下の通りです。
- 詰めもの・被せもの・インプラント等
- 金属による着色
- 神経がない歯
- 初期の虫歯による茶色や白色のしみ
- テトラサイクリン系薬剤により重度の着色が起こっている歯
- エナメル質や象牙質の形成不全
- 歯の障害による着色
- 内部吸収が起こっている歯
- フッ化物による斑状歯
それぞれの詳細をみていきましょう。
詰めもの・被せもの・インプラント等
オフィスホワイトニングは、自分の本来の天然歯にしか効果がありません。人工物である詰め物や被せもの、インプラントを染めることができないため、それらを白く染めることはできません。
金属による着色
詰め物に金属を使用している場合、時間の経過とともにその周囲に金属の成分が溶け出して、元の歯に着色する場合があります。それが原因で着色してしまった場合は、ホワイトニング剤で染めることができないため、ホワイトニング以外の方法で除去する必要があります。
神経がない歯
虫歯や何らかの理由で神経がなくなった歯は、神経のある歯とは性質が変化し、ホワイトニングができなってしまいます。
通常のホワイトニング方法では染められないため、「ウォーキングブリーチ(歯の中にホワイトニング薬をつめて中から白くしていく方法)」や、上から被せものをする等の方法をとる必要がありますが、外傷による亀裂が顕著な場合はウォーキングブリーチもできませんので注意が必要です。
初期の虫歯による茶色や白色のしみ
虫歯の初期段階で、歯に白濁箇所ができたり、茶色くなったりしている場合があります。その部分をホワイトニング剤で白くすることはできません。虫歯がある場合は必ず事前に医師に相談をしましょう。
テトラサイクリン系薬剤により重度の着色が起こっている歯
テトラサイクリン系の抗生剤を幼少期に使用すると、歯に着色が残る場合があります。軽度のものはホワイトニングできますが、かなり濃い色がついてしまっている重度のものの場合ホワイトニングができません。
エナメル質や象牙質の形成不全
遺伝などが原因でエナメル質や象牙質に形成不全がある場合、それにより歯に着色がある場合があります。それらの着色をホワイトニングによって白くすることはできません。
歯の障害による着色
さまざまな原因による神経の障害などによって灰色や黒色などに変色をすることがあります。これらの着色はホワイトニングすることはできません。
内部吸収が起こっている歯
外傷によって歯の中の神経部分から出血し、それらが原因でピンク班のようになることがあります。このような内部吸収が起こっている歯はホワイトニングの適応対象外です。
フッ化物による斑状歯
フッ素の中毒症状により、表面のエナメル質に不透明な白濁した変色が起こることがあります。これはホワイトニングすることはできません。
ホワイトニングができない場合の対処法

上記のホワイトニングができない歯に当てはまってしまったら、ホワイトニングをあきらめなければならないのでしょうか?必ずしもそんなことはありません。
場合によってはホワイトニング以外にも歯を白くできる方法があります。
ホワイトニング以外の方法で歯を白くする
ホワイトニング以外の方法で歯を白くするには、
- 歯のマニキュア
- 歯のスカルプチャー
- ダイレクトボンディング
- ラミネートべニア
などがあります。
ただ、これらは「歯を染める」という方法ではなく、「白い人工物をなんらかの方法で歯にかぶせて白くみせる」という方法です。根本的にオフィスホワイトニングとは異なるホワイトニング方法なので注意が必要です。
また、歯を削らなければならない、コストが高いなどのデメリットもありますので、どこまで完璧に白くしたいかよく検討してくださいね。
これらの方法の詳細は、こちらの記事をご参照ください。
まとめ
ホワイトニングは、必ずしもすべての人ができるというわけではありません。また、体質や既往症などの前提条件には問題がなくても、ホワイトニングできる歯とそうでない歯が混在している場合があります。
思わぬところでホワイトニングができなかったということもありますので、自己判断だけで過信せず、お医者さんにしっかり相談してからホワイトニング治療を受けるようにしましょう。