【解説】ホワイトニングで歯周病予防ができる場合・悪化させる場合

ホワイトニングコラム

一般的に、ホワイトニングは歯に悪いのではないか?というマイナスイメージが多くあると思います。その主な理由は、痛みや沁み、歯を溶かすなど人体に悪い症状のイメージが先行してしまっているためです。

しかし、ホワイトニング剤の主成分は「過酸化水素」であり、これは消毒液に使用される主成分と同じものです。殺菌作用がある過酸化水素ですので、たしかに歯周病の原因となる菌を殺してくれる効果もあります。

ただし、他の要因を考慮せず「殺菌作用がある薬剤を使用している=ホワイトニングが歯周病予防に良い」と簡単に結論付けてはいけません。その理由を含め、ホワイトニングで歯周病予防ができる場合とそうでない場合をを詳しく見ていきたいとおもいます!

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そもそも歯周病とは?

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歯周病ってどんな病気?

歯周病とは、歯の周囲の歯茎などに炎症症状によって起こる病気のことです。具体的には歯茎が赤く腫れて出血などの症状がある「歯肉炎」、歯肉炎が悪化して膿みなどがたまったり、歯周ポケットが深くなって骨が溶け出す「歯周炎」、最終的に骨が溶けて歯がぐらつく「歯槽膿漏」などがあります。歯の根元がとけて最終的に歯を失ってしまうこともある、恐ろしい病気です。

歯周病の原因菌は歯だけにとどまらず、動脈硬化や心筋症・糖尿病などの全身疾患とも関連性が高いことがわかっています。歯周病を予防することは全身の病を予防することにもつながるのです。

<参考:日本臨床歯周病学会HPより>

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。

歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします(痛みはほとんどの場合ありません)。

そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。

歯周病(歯槽膿漏)ってどんな病気

[出典:http://www.jacp.net/]

歯周病を予防する方法

歯周病を予防するには、日常的に歯垢や歯石を取り除いたり、歯垢ができないようすることが最も大切です。

主な対策としては、

  1. 歯垢の原因菌を殺菌し清潔に保つ
  2. 正しい方法で毎日歯をブラッシングし歯垢を除去する
  3. 専門的なクリーニングなどのメンテナンスを定期的に受ける

などがあります。

ホワイトニング剤の殺菌作用と注意点

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歯周病で大事なことの一つは、歯垢がたまらないように原因菌を殺菌し口内を清潔に保つこと。殺菌作用に優れたうがい薬や歯磨き粉なども多く販売されていますよね。そして、ホワイトニング剤にもその殺菌作用があるんです。

過酸化水素の殺菌作用

ホワイトニングが歯周病に良いと言われるようになった理由は、冒頭に述べたオキシドール(消毒液)に含まれる成分と同じ「過酸化水素」が薬剤として含まれているからです。過酸化水素にはたしかに殺菌作用があり、歯垢の原因菌を殺菌するのに効果がありますので、ホワイトニング剤にも同じことが言えます。

昔アメリカで歯周治療を目的にそのゲルをマウスピースにつけて患者に使わせると数か月で歯が白くなったことからホワイトニング効果が注目されて現在の薬剤に至ったという話もあります。

注意すべき殺菌以外の作用

では、なぜ一概に「ホワイトニングが歯周病に良い」と思ってはいけないのでしょうか。

過酸化水素の効果は殺菌作用だけではありません。オキシドールに含まれる過酸化水素は3%なのに対して、ホームホワイトニング剤の過酸化水素濃度は10%、ホワイトニングで使われる過酸化水素には35%のものもあり濃度が高いのです。

過酸化水素は高濃度になればなるほど肌に触れると痛みが生じ、刺激が強く炎症を起こす原因となってしまいます。高濃度過酸化水素の薬剤は、歯茎にふれると痛みや炎症の原因となります。歯周病予防どころか、高濃度過酸化水素が歯茎に触れると歯周病を引き起こす原因にもなり得るのです。

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ホワイトニングと歯周病予防効果の有無

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歯周病予防に効果があるホワイトニングとそうでないホワイトニングがあります。それぞれみていきましょう。

【予防効果あり】ホームホワイトニング

ホームホワイトニングの薬剤は10%の過酸化尿素(内過酸化水素3%)を主成分として作られています。過酸化水素が低濃度のホワイトニング剤を使用するため殺菌作用が安全にはたらき、歯周病予防効果があると言って良いでしょう。

【予防効果なし】オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングの薬剤は35%の過酸化水素を主成分としているものがほとんどです。これは歯茎に当たるとしみたり痛みを生じることが多く、炎症を起こしてしまう可能性があります。そのため、オフィスホワイトニングは歯茎に薬剤がつかないようにプロテクターを塗って施術を行います。

しかるべき予防方法は他にいくらでもありますので、オフィスホワイトニングを歯周病予防と結びつけるのは乱暴かなと筆者は考えます。

【予防効果あり】クリーニング

ホワイトニング剤による予防効果ではありませんが、ホワイトニングを行うときにほとんどの場合歯医者さんで歯のクリーニング(プロフェッショナルケア)を受けます。

このクリーニングは歯周ポケットの中の歯垢や歯石まで綺麗に落とし、普段ブラッシングで届かない隅々まで歯垢や歯石を除去してくれるのです。

ホワイトニングで歯周病予防ができると言われる理由は、薬剤による殺菌効果以上に、クリーニングを定期的に受ける習慣がつくからという理由の方が説得力が高いと筆者は考えます。

歯周病を悪化させるホワイトニング

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歯周病のある人のホワイトニング

基本的に、歯周病がすでにある場合はホワイトニングより治療が最優先です。軽度であれば医師と相談の上可能な場合もありますが、重度の方はホワイトニングができない場合があります。

ホワイトニング剤が刺激となって歯周病が悪化してしまう場合がありますので、医師と相談が必要です。

知覚過敏症状の悪化

歯周病によって歯茎が下がっている箇所にホワイトニング剤をつけると、知覚過敏症状が発症したり悪化してしまうケースがあります。最悪の場合神経痛なども引き起こしてしまう可能性がありますので、歯茎が下がっている症状がある方は医師とよく相談が必要です。

アルカリ性薬剤に要注意

ホームホワイトニングの薬剤は全て中性ですが、オフィスホワイトニングの薬剤にはアルカリ性・中性・酸性のものがあります。

アルカリ性のものは浸透力があり強力な漂白効果を発揮してくれるので効果が高い反面、肌や歯茎などの軟組織にふれるとタンパク質が分解され、歯周病悪化の原因となります。(キッチンハイターを素手で触るとヌルヌルして肌の表面が薄く溶けてしまうのがその症状です。)

漂白剤ほど強いアルカリ性ではなく実際は弱アルカリ性にとどまっていますが、オフィスホワイトニングをするときに歯周病のためには酸性か中性のものを選ぶのが妥当でしょう。(医師の判断によります。)

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まとめ

ホワイトニングはホームホワイトニングやクリーニングなど、場合によっては歯周病予防に効果的といえます。

ただし、すでに歯周病の症状がある方がホワイトニングを行うと症状を悪化させてしまう可能性もあります。歯周病の方がホワイトニングを行う際は必ず医師の指示に従いましょう。

ホワイトニングより最も確実なクリーニングやブラッシングなどもあわせて、正しく歯周病予防を行いましょう。

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