歯の一部だけ白っぽい斑点のようになっているものを見つけたことはありませんか?
これらはホワイトスポットというもので、治療が必要ないものから初期虫歯に分類されるものまで様々な原因でできてしまうものです。初期虫歯の場合、表面だけなら削らずに治せる方法もあります。
ホワイトスポットの種類とそれぞれの治療方法をご紹介します。
このページの目次
ホワイトスポットの種類と原因

ホワイトスポットとは?
歯の白いシミのことで、その部分のみチョークなどで歯の上から色をつけたようにくっきりとした白さになっている箇所のことを意味します。エナメル質石灰化不全部、エナメル質石灰化不全症ともいいます。
ホワイトスポットの原因
酸が原因の初期虫歯
成長した歯であっても、強い酸などが原因でエナメル質のカルシウムが溶け出し、その部分が白濁しホワイトスポットとなってしまう場合があります。これは初期虫歯のひとつに分類されます。
甘いものばかり食べていたり、強い酸性の食べ物を食べて長時間放置しているような習慣があると、これが原因でエナメル質が溶け出し、初期虫歯となってしまいます。
幼少期のエナメル質の再石灰化異常
エナメル質形成不全という、歯ができる時に起こる白濁が原因のものです。エナメル質の表面だけではなく内部で起こっている場合が多く、表面を削るだけの治療ではとることができません。
フッ素の過剰摂取による白濁
フッ素濃度の強い飲食物を過剰に摂取した場合などに、白い斑点が生じる場合があります。現在はあまり症例がありませんが、海外などでフッ素濃度の強い水道水を過剰に摂取したり、フッ素濃度の高い歯磨き剤を飲み込んでしまったりなどがあげられます。
ホワイトスポットの治療方法

ホワイトスポットは自然治癒が難しいため、なおすためには歯科医院で治療が必要となります。
削らない治療方法
アイコン
酸によって脱灰したエナメル質に樹脂の薬剤をしみこませ、歯を削らずにすみやかにホワイトスポットを改善させる方法です。エナメル質からミネラルが溶け出すのを防いでくれるだけなく、アイコンはエナメル質を補強して酸性になるのを防ぎ、再発も防止してくれます。
歯を削らなくて良い治療として最も負担が少なく、注目されている比較的新しい治療法です。
マイクロアブレージョン
ホワイトスポットの部分を、リン酸と塩酸を含んだ特殊な薬剤を使って研磨することで、ごくわずかに(0.3mmほど)エナメル質の表層を削る方法です。しみが深い場合は完全に消すことはできませんが、白いシミを以前より目立たなくすることができます。
その他の治療方法
コンポジットレジン
初期虫歯でないホワイトスポットでその範囲が比較的小さく深部まで達している場合、また初期虫歯で深部まで脱灰が起こっている場合はホワイトスポットを削り、コンポジットレジン(プラスチック)で被せ物をします。
歯のマニキュア
エナメル質石灰化不全が原因で初期虫歯でない場合、ホワイトスポットの上から白いコーティングを行い見た目を他の歯とそろえる方法があります。
これあ1日でとれてしまうものから、数ヶ月持続するものまで種類が多くありますが、いずれにしてもとれてしまうものです。
ラミネートベニア
広範囲にわたっっているホワイトスポットやエナメル質形成不全症を伴う場合、ラミネートベニアいよるセラミック修復を行うことがあります。
ラミネートベニアは歯の表面を薄く削り、セラミックで製作した被せ物を貼り付ける治療法です。ダイレクトボンディングよりも削る面が多くなります。ベニアとは板のことですので、板のようなチップを天然歯に貼り付ける、爪で例えると付け爪のようなものをイメージするとわかりやすいでしょう。
初期虫歯に効く歯磨き粉
初期虫歯の場合、MIペーストを使用することによって自分で消せる場合があります。
MIペースト(ジーシー)

- 参考価格:1,700円/40g(税抜)
- 有効成分:CPP-ACP
歯磨き粉でブラッシングを行った後に歯に塗布するためのペーストです。ミネラル(カルシウム、リン)や口腔内環境を中和させるはたらきをもつ成分(CPP-ACP)を含み、歯の再石灰化を促進させて歯を強化する働きがあります。それにより、初期虫歯の改善に効果がみられる場合があります。いろいろなフレーバーがあるのも特徴です。
>>MIペースト
ホワイトスポットの治療にかかる治療費

これらの治療にかかる費用の目安は以下のとおりです。
アイコン | 1.5万円全後/1本 |
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マイクロアブレージョン | 数千円~1万円前後/1本 |
コンポジットレジン | 1万円~5万円円程度/1本 |
歯のマニキュア | 通常(数ヶ月):1~2千円程度/1本 最新技術使用(数年):1~1.5万円程度/1本 |
ラミネートベニア | 10万円~15万円/1本 |
いずれも自費診療となるため、お値段はかなり高めとなります。
ホワイトスポットのホワイトニングにおける注意点

ホワイトスポットがある場合、そのままの状態でホワイトニングを行うと余計白くなって浮いてしまう場合があります。特にホワイトニング直後はホワイトスポットの強さがかなり強くなりますが、通常は24~48時間で落ち着いてきます。
ホワイトスポットの色があまり濃くない場合は、オフィスホワイトニングでホワイトスポットを避けて薬剤を塗布し、周囲の色と合わせるというという方法があります。
しかし、ホームホワイトニングなどではそのようなことはできませんので、ホワイトスポットがある場合のホワイトニングは医師とよく相談が必要です。
まとめ
ホワイトスポットは、エナメル質再石灰化不全症や酸が原因の初期虫歯などで歯の表面にできる白いしみです。初期虫歯の場合は歯を削らない治療方法や、ペーストで磨くことで治せる可能性があります。
範囲が広い場合は人口の被せ物で白くする方法がありますが、歯を大きく削る必要があり費用もかかります。
ホワイトニングで白く目立ってしまう場合もありますので、治療をした後にホワイトニングを行うか、ホワイトスポットを避けて行うなどの方法をとりましょう。